ぎぼむす 男性の共感も支えに

 2週連続で番組最高視聴率を更新し、今期ドラマのトップを走っている連続ドラマが、綾瀬はるか(33)主演のTBS「義母と娘のブルース」(火曜後10・00)だ。テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(エイト社)でも、7月度の月間満足度調査ドラマ部門全体(朝ドラ~午後11時台ドラマ)で第2位の好位置につけている。【写真】TBS「義母と娘のブルース」に出演の竹野内豊、横溝菜帆、綾瀬はるか 綾瀬演じるキャリアウーマンが母を亡くした娘の義母となり、奮闘する姿を描くホームコメディー。最近のドラマは刑事ものや医療もののヒットが目立つ中、珍しいジャンルだが、多くの視聴者を巻き込み、満足させている理由には、過去の大ヒットドラマを彷彿とさせる要素が隠れていた。
 1つ目は“ロボットのようなキャラクター”。主人公は誰もが認めるキャリアウーマンだが、恋愛や子供との接し方には疎く、ビジネス用語を多用する堅苦しい口調で機械的に接してしまう。これは2011年に大ヒットした日本テレビ「家政婦のミタ」を彷彿とさせるもので、そんなロボットのような主人公が介入して荒療治を施すことで家族が再生していくという流れも “ミタ”を想起させる。だが、今作は“ミタ”ではダークに描かれた“崩壊からの再生”ではなく、あくまでもハートウォーミングな展開で家族の再生を描き、回を追うごとに主人公の表情が人間味を帯びていくのも、このドラマの見どころとなっている。
 2つ目は“偽りの関係から本当の絆に気づいていく”というテーマ。これは16年に大ヒットしたTBS「逃げるは恥だが役に立つ」と同様のテーマと言っていいだろう。“逃げ恥”は契約結婚をきっかけに本当の恋へと発展していくラブコメディーだったが、今回はそれを家族に換え、偽装結婚をきっかけに本物以上の家族へと成長していくという“逃げ恥”と同じ導入部でありながら全く違う、新しいホームドラマに仕上げている。
 また、主人公がバリバリの元キャリアウーマンという設定から、いじめ問題やPTAでの衝突など、保護者にとっては身近な学校の問題を会社に置き換えて解決へと導いたり、娘が高校生となった第2章からは破産寸前のパン屋を再生させていくというサブストーリーも挿入されるなど“お仕事ドラマ”としての要素も加わっている。そして“エビデンス(証拠)”や“スキーム(計画)”“コミット(誓約)”など、サラリーマンにはおなじみのビジネス用語がたびたび登場することで、普段ホームドラマを敬遠しそうな男性視聴者の共感も得ているようで、満足度を男女別に見ると、男性トップの数値をマークしている。
 脚本と演出を手掛けるのは、09年と11年に大ヒットしたTBSのSF時代劇「JIN-仁-」の森下佳子氏と平川雄一朗氏。その関係からなのかは不明だが、主人公が奮起する印象的なシーンのBGMで、時代劇の合戦の際に吹く“ほら貝”が多用され、現代劇にはミスマッチとも思えるこの遊び心のある演出もこのドラマの独自性を高めている。
 人気ドラマの数々を彷彿とさせるキャラクターやテーマ、演出だが、従来にない笑って泣ける全く新しいホームドラマの誕生を予感させる今作。最後まで目が離せないのは間違いない。
(source)

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